大麦たべて、すこやかファミリー 大麦食品推進協議会

大麦の健康情報

大麦で生活習慣病を予防しましょう

1.日本人の健康問題と食生活

食物繊維不足と生活習慣病

 人はそれぞれに抱える健康問題は異なると思いますが、ここでは日本人の平均的なデータから問題を考えてみたいと思います。厚生労働省は毎年、国民健康・栄養調査を行っています。この調査では日本人の平均的な食生活の実態が明らかにされ、同時に健康状態についても調査をしています。また、厚生労働省は3年ごとに「患者調査」を実施して入院や通院患者に基づく状況を明らかにしています。この結果からみると、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病などが増加傾向にあり、その背景には不適切な食生活が大きく関わっています。その中でとくに問題となるのは、食物繊維の不足です。近年、これには穀類、野菜、果物などの植物性食品の摂取低下が関わっています。特にわが国では米や小麦が主たる穀類ですが、いずれも精白されているために食物繊維が充分に摂取できません。その中で大麦は精白しても食物繊維を多く含み、またその機能性が高いことがとくに注目されるようになってきました。
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大麦の機能性成分とは

 米や小麦は精白すると食物繊維含量が大きく低下します。それに比べて大麦では精白しても食物繊維含量があまり低下しません。また米や小麦では不溶性食物繊維が多いのに対して、大麦では不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれています。とくに精白後はβーグルカンといわれる水溶性食物繊維が多くなります。このβーグルカンが他の穀類に含まれる量が少なく、米や小麦では期待できないすぐれた機能性を持っています。
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2.大麦の健康機能性

 現在、多くの先進諸国では人々は複数の慢性疾患に悩まされています。かつてわが国は長寿で健康的な国として注目され、その要因としての日本食は高く評価されていました。しかし超高齢化社会へと変化している中で、今や健康的な食生活を営むのは一部の人々に限られており、栄養状態に問題のある人々は少なくない状況になっており、わが国でも健康問題は大きな社会的な課題となってきています。
 そんな中で大麦が様々な生活習慣病予防に大変重要な役割を果たすことが明らかにされ、人々の関心が高まってきました。ここでは大麦にどのような健康機能があるのかを紹介したいと思います。まず、科学的な研究が充分に蓄積され、健康機能性がかなり高いものは次の3つの作用です。

  • ① 血中総コレステロールを下げる作用
  • ② 食後の血糖値が上がりにくい作用
  • ③ 糞便量を増やし、大腸内の細菌叢を改善する作用(これをプレバイオティクス作用といいます)

その他に、最近新しい研究成果が出ていたり、今後の研究を期待したい作用があります。

  • ④ 腹部脂肪蓄積を抑制する作用(メタボ解消作用)
  • ⑤ 満腹感の持続作用とセカンドミール効果
  • ⑥ 腸管免疫機能を調整する作用

こうした作用は大麦に含まれる食物繊維、とくにβ-グルカンが強く働いていると考えられます。

血中総コレステロールを下げる作用

 血中総レステロールが基準値240mg/dlを越えると、高コレステロール血症といわれています。血中のコレステロールのうち、LDL-コレステロール(一般に悪玉コレステロールといわれる)は血管壁に沈着して、血管壁を厚くして、血液の通りを悪くします。また厚くなった血管壁がはがれた血栓が時に心臓や脳などの血管を詰まらせると、虚血性心疾患や脳梗塞を起こし、致命傷となります。大麦βーグルカンは血中総コレステロールを下げる作用が多くの研究から明らかにされています。
 なお、最近高脂血症に替えて、脂質異常症という新しい診断基準が日本動脈硬化学会から発表されました。この場合は、LDL-コレステロール140mg/dl以上(高LDL-コレステロール血症)、HDL-コレステロール40mg/dl以下(低HDL-コレステロール血症)、トリグリセリド150mg/dl以上(高トリグリセライド血症)が示されています。HDL-コレステロール(善玉コレステロールといわれる)の低下、中性脂肪の増加などもリスクになることが明らかにされています。
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食後の血糖値上昇を抑制する作用

 人の食事には炭水化物、あるいは糖質が含まれています。その主たる成分はグルコース(日本語ではブドウ糖)が多数結合したでんぷんです。でんぷんは、口腔内や小腸において消化され、血液中にはグルコースとして取り込まれます。したがって、食後は血液中のグルコースが増えてきます。これを食後血糖値といいます。食後30分から45分くらいにピークを迎え、その後低下して90分から120分で元に戻ります。大麦は食後の血糖値が上がりにくいことが多くの研究で明らかにされています。いつも食後の血糖値が高くなるような食生活を続けていくと、糖尿病の発症につながる可能性があります。
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糞便量を増やし、大腸内の細菌叢を改善する作用

 食物繊維が充足しているかどうかは、毎日一定の排便量があるかどうかで判断できます。国民健康・栄養調査では平均的な日本人は充分な食物繊維が摂取されていません。とくに若い世代での不足が目立っており、青少年や若い女性では便秘はめずらしくありません。
 日本人の食物繊維不足の原因は野菜や果物などの不足に加えて、穀類からの食物繊維不足が原因となっております。欧米諸国では精白しない穀類や食物繊維含量の多い穀類の摂取を推奨しています。わが国の主食の米は玄米でも食物繊維含量が少なく、精白するとさらに低下するために、米飯だけでは穀類からの食物繊維摂取が期待できません。大麦は精白しても食物繊維含量があまり低下せず、精白米の20倍近い食物繊維を含んでいます。加えて大麦の食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含んでいます。不溶性食物繊維は糞便量を増やす効果があり、水溶性食物繊維は腸内細菌叢を改善する効果で優れています。近年、大腸内の環境改善は単なる便秘解消にとどまらず、腸内細菌叢を良好に保つことは人の健康維持に重要な役割を担っていることが示されています。
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腹部脂肪蓄積を抑制する作用(メタボ解消)

 2005年、厚生労働省は肥満が多くの生活習慣病の原因になるということで、肥満予防を健康政策の目的としました。肥満を「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」という新たな言葉で表し、内科系8学会によって診断基準が示されました。2008年から、国はメタボリックシンドロームの健診と保健指導を義務化いたしました。
 大麦によるメタボ解消に関連する研究例は多くはありませんが、日本人で大麦による腹部脂肪蓄積抑制が報告されています。
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満腹感が持続する作用とセカンドミール効果

 人は食後しばらく満腹感が続きますが、その仕組みは極めて複雑にコントロールされています。これに係る因子は主に消化管から分泌される複数のホルモンが関わっています。大麦を含む食事を摂取後、満腹感の持続時間が長く、2回目の食事に大麦を含まなくても、その摂取量が低下することがヨーロッパの研究者たちによって発表されています。この現象をセカンドミール効果と呼んでいます。まだ研究はそれほど多くはありませんが、その理由に関する基礎研究も発表されており、根拠もしっかりしています。
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腸管免疫機能を調整する作用

 これまでのところ、大麦の腸管免疫に対する作用についてはその可能性は指摘されていますが、直接的な研究発表はありません。人の体には大きく2つの免疫機構が存在します。生まれながらに持っている自然免疫と生後徐々に充実していく獲得免疫があります。これまでは獲得免疫が注目され、研究が進んでいましたが、人が生まれながらに持っている自然免疫は最近になって注目されるようになってきました。
 免疫は人が外来からの有害な細菌などへの防御、がん細胞に対する抵抗、異種たんぱく質の排除などが重要な役割です。自然免疫は主に消化管にあります。主に食べ物と一緒に体内に持ち込まれた有害な物質を排除するための仕組みです。小腸にはパイエル板といわれる免疫機構があり、さらに大腸には孤立リンパ組織があります。特に大腸の免疫機能には腸内細菌が重要な役割をしていることが最近、明らかになってきました。大麦は大腸内環境を整える作用があり、とくに善玉腸内細菌がその役割を担っていると思われます。
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3.大麦の機能性表示食品

 現在わが国では、健康上に有効な食品としては、保健機能食品の制度があります。保健機能食品は、消費者庁によって個別に審査の行われる特定保健用食品、国によって規格が設定されている栄養機能食品と、企業などが責任をもつ機能性表示食品があります。
 大麦のような農産物に対しては、現状の制度の中ではその機能性を消費者にアピールできる制度は機能性表示食品が唯一かもしれません。わが大麦食品推進協議会では、消費者の皆様に大麦の健康上の有用性を知って頂くために、科学的な根拠をしっかり確認することが必要と考えて、会員でデータを集める努力をしてまいりました。
 機能性表示食品制度は平成27年4月に発足いたしました。本協議会では機能性に関する科学的根拠などをこれまで集積してきました。これらのデータを活用して会員企業はこの制度に届け出をしてまいりました。
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4.海外における大麦食品の健康強調表示

 食品に対する機能性を表示する場合は、国際的なガイドライン(FAO/WHO食品規格委員会:コーデックス委員会)に従って各国の制度が整備されています。その基本としては

  • ① 栄養強調表示
  • ② その他の健康強調表示
  • ③ 疾病リスク低減表示

の3種があります。わが国の制度では栄養機能表示として、国によって表示可能な成分としてビタミン12種、ミネラル5種が決められており、表示できる内容も定められています。それに従って表示されているのが栄養機能食品です。他方、特定保健用食品制度はコーデックス委員会のガイドラインの2と3が該当しますが、わが国は諸外国の中では早い時期(1991年)に特定保健用食品制度ができました。アメリカでもかなり早い時期(1990年)から、食品に健康機能が表示できる制度を立ち上げましたが、それは疾病リスク低減表示でした。その後サプリメントに対する表示の要望が高まり、1998年に制度が作られました。他の先進諸国では、コーデックス委員会のガイドラインに沿った形で制度ができてきました。その中でアメリカを含む先進諸国では大麦の健康機能を表示することを認めていますが、その中心は疾病リスク低減表示であり、国が認める制度となっています。
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5.大麦はどのくらい食べるのがいいのか?

 大麦を日常的に摂取するときに参考となる考え方をお示ししたいと思います。次のような状況に悩まれている方によって、それぞれ少し対応が異なるように思います。

  • ① 不足している食物繊維を補う
  • ② 便秘がちの方
  • ③ 血中総コレステロールが高めの方
  • ④ 血糖値が高めの方

1,2の方々は、不足している食物繊維を補えれば、いいのではないでしょうか。
3の方々は、1,2の方よりもう少し多く大麦を摂取し、かつ有効成分のβーグルカンをしっかり摂取することを考える必要があります。4は1日に2回位を目安で、1回の食事ごとにβーグルカンがしっかり摂れる食事にする必要があります。
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