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  • 大麦に含まれるβ-グルカンとは
  • 世界の健康表示からみた大麦の健康効果の評価
  • 大麦の健康機能
  • 1.血中コレステロールを正常化する作用
  • 2.食後血糖値を穏やかにする作用
  • 3.プレバイオティクス効果
  • 4.満腹感の持続作用
  • 5.その他の健康機能、メタボ改善作用

大麦β-グルカンの血中コレステロール正常化

1) 機能性の概要(まとめ)

 大麦β-グルカンは、総コレステロール、LDL-コレステロールが高めの人に対し、血中コレステロールを下げる効果、すなわち血中コレステロールを正常化する効果がある。大麦β-グルカンにおける血中コレステロール正常化機能は、(公財)日本健康・栄養食品協会が2012年に実施した「食品の機能性評価事業」で評価対象となった。その結果、ヒト介入試験で12報の報告があり、うち「効果あり」が9報、「判定保留」が1報、効果なしが2報であった。これを基にした同協会における審査により、大麦β-グルカンには、血中コレステロール正常化機能があると認められた。
 より詳しく見ると、総コレステロール(TC)とLDL-コレステロール(LDL-C)が高めの人に対し、これらを下げる効果があるが、健常者に対してこれらを正常値よりも下げるものではない。こうした効果は男性、女性ともに、女性では閉経前後に関係なく効果が確認されている。一方、HDL-コレステロール(HDL-C)は変化しない。
 血液中のコレステロールが高いと、血管の壁に付着して血管壁を厚くし、血流を阻害するため、動脈硬化症などの生活習慣病の原因になると言われているため、これらを予防するにはTC、LDL-C数値を正常化することが望まれる。

表 大麦β-グルカンの血中コレステロール正常化機能

  • (1)総コレステロール(TC)、LDL-コレステロール(LDL-C)、TC/HDL-Cが低下する。
  • (2)これら効果は、TC、LDL-Cが高めの男性、女性(閉経に関係なく)ともに見られる。一方、健常者に対しては、TC、LDL-Cを正常値よりも下げる効果はない。
  • (3)HDL-コレステロールは変化しない。

2) 摂取による作用機作

 大きく分けると2つの作用機作が明らかになっている。
 1つめは、消化管内においてβ-グルカンが胆汁酸と結合し(ミセルを形成)、胆汁酸の再吸収を抑制して、体外への排泄を促進させ、その結果コレステロ-ルの排泄を促進する作用機作である。2つめは、β-グルカンの摂取により大腸内発酵が活発になり、これにより生成された短鎖脂肪酸(プロピオン酸や酪酸)がコレステロ-ル合成酵素を阻害し、コレステロ-ルの合成を抑制する作用機作である。
① 胆汁酸結合によるコレステロ-ル排泄促進
大麦β-グルカンと構造が同じオーツ麦β-グルカンを用いたin vitro試験において、胆汁酸との結合能がセルロースに比較して有意に高いことが示されている。興味深いことに、酵素(リケナーゼ)処理して作製した3種の分子量が異なるβ-グルカン(6.9×105、3.7×104、1.6×104)を比べると最も分子量が低いβ-グルカンが最も高い胆汁酸結合能を示した。
また、ニワトリによる動物試験により、大麦にコレステロールを添加した飼料において、β-グルカンを含む大麦群とβ-グルカンを分解した大麦群で比較すると、β-グルカンを含む大麦群のほうが糞中コレステロールが有意に高い結果が得られた。
以上の結果から、血中コレステロール正常化の作用機作のひとつは、大麦β-グルカン摂取により、β-グルカンが胆汁酸と結合し(ミセルを形成)、再吸収を抑制して、糞として体外への排泄を促進させることであることがわかる。
② 発酵により生成する短鎖脂肪酸によるコレステロール合成酵素阻害
上記3種類の分子量のβ-グルカンを用い、これをヒト糞便に混ぜて発酵させ、短鎖脂肪酸生成量を比較した試験が報告されている。いずれも、ブランクに比較して有意に短鎖脂肪酸が生成されたが、特に低分子β-グルカンが高分子β-グルカンに比べて有意に短鎖脂肪酸が高かった。
一方、短鎖脂肪酸によりコレステロール合成酵素が阻害されることが確認されている。これらをまとめると、β-グルカンが大腸で発酵され、これにより大腸発酵により生成される短鎖脂肪酸がコレステロール合成酵素を阻害することにより、血中コレステロールを低下させることがわかる。

摂取による作用機作図
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