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糞便量を増やし、大腸内の細菌叢を改善する作用

 充分な食物繊維を摂取している人における大腸内環境を整える効果は、便秘がちの人の排便状況の改善で端的に示されています。大麦については直接的に示したのはあまり多くはありませんが、便秘者が多い日本の老人介護施設での試験例が研究論文として発表されています(K. Taniguti et al : J Physiol. Anthrop.)。
 大麦は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のいずれも含んでいます。一般的に不溶性食物繊維は大腸の腸内細菌による分解を受けにくいので、そのまま便として排泄されます。他方、水溶性食物繊維は腸内細菌によって利用されやすく、とくに善玉細菌といわれるビフィズス菌や乳酸菌などによって利用されて、これらの菌が増えてきます。こうした細菌の増加を直接測定することは難しく、また分かりやすい論文は多くはありません。しかし、これらの細菌は食物繊維を利用して水素や短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)を生成します。水素や短鎖脂肪酸は血液中に吸収されますので、その濃度を測ることによって、間接的に善玉菌の増加を証明することができます。また、水素は呼気中に排泄されますので、それを測定することができます(図1)。水素は体内で抗酸化作用を持ち、短鎖脂肪酸は大腸の細胞のエネルギー源となって大腸の細胞を正常に保ち、大腸の蠕動運動を刺激したり、体内でのコレステロールの合成や糖代謝にも影響することが報告されています。
 通常、食物繊維が充分に足りている場合は、ほぼ毎日排便があります。食べたもののうち、消化されなかった成分は40時間前後で便として排泄されるのが正常と考えられています。食事で摂取したもので消化・吸収されなかったものは、小腸末端までに到達するのは10時間以内です。正常者と便秘者では大腸内の通過時間に差があります。便秘になると大腸にとどまる時間が長くなり、時には数日にも及ぶことが明らかにされています。こうした大腸では悪玉細菌がはびこり、様々な大腸の疾患の原因となります。大腸憩室症や大腸がんに繋がる可能性もあります。

図1 各種穀類摂取後の呼気水素濃度

 食物繊維やオリゴ糖などが大腸内の細菌叢を改善する効果をプレバイオティクス効果といいます。ここに示しました大麦の大腸への作用はまさにプレバイオティクス効果にあたります。これに対して直接有用な腸内細菌を送り込むことをプロバイオティクス効果といいます。私たちの胃は大変強い酸性ですので普通に有用な細菌を摂取しても、胃の関門を通過することができません。これを突破する加工方法が考えられている食品もありますが、腸内細菌にとって必要な原料を届けなければ、効果を持続することはできません。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく大腸に届けることが最も効果的に大腸内環境を整える:プレバイオティクス効果が期待できます。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなって水素や短鎖脂肪酸を作る原料となり、不溶性食物繊維は糞便量を増やすことができます。

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