大麦たべて、すこやかファミリー 大麦食品推進協議会

大麦の健康情報

大麦で生活習慣病を予防しましょう

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  • 大麦に含まれるβ-グルカンとは
  • 世界の健康表示からみた大麦の健康効果の評価
  • 大麦の健康機能
  • 1.血中コレステロールを正常化する作用
  • 2.食後血糖値を穏やかにする作用
  • 3.プレバイオティクス効果
  • 4.満腹感の持続作用
  • 5.その他の健康機能、メタボ改善作用

食物繊維摂取源としての大麦

1) 食物繊維摂取量

 厚生労働省から発表されている「日本人の食事摂取基準 2010年版」によると、食物繊維の摂取目標量は、18歳以上の成人において、男性で19g以上、女性では17g以上となっている。これに対し、日本人が実際に摂取している食物繊維摂取量を年代別に見てみると、男女問わず、若年層でかなり不足しており、また摂取量が多い60代でも目標量に達していない(図1)。
 現代の日本人の食物繊維摂取量を見ると(図2)。特に穀類から摂取される食物繊維量が大幅に低下している。1950年代から60年代では、穀類の摂取量が多く、また米の精白度も低く、大麦などもかなり摂取されていた。それが、今では米や大麦の摂取量が減り、それに伴い食物繊維摂取量も低下し、特に若い世代での摂取量が少ない。若い世代では、穀類の摂取量は高齢世代と差はないものの、果物や野菜の摂取量が少ないことが原因である。そのために、食物繊維だけではなく、ビタミンやミネラルのような微量栄養素の不足にもつながっている。

図1 年齢別の食物繊維摂取量

図2 日本人の食物繊維摂取量の年次変化
出典:池上による試算と国民健康栄養調査から

2) 大麦の食物繊維

 大麦は穀類の中でも、比較的多くの食物繊維を含んでおり、特に水溶性食物繊維は群を抜いて多い(図3)。たとえば、大麦製品の代表格である押麦の場合、水溶性食物繊維が6.0%、不溶性食物繊維が3.6%(総食物繊維として9.6%)含まれており、この押麦をお米に3割混ぜて炊飯した場合、お茶碗一杯の麦ご飯(150g)で2g程度の食物繊維が摂取できることになる。食物繊維量が多く含まれると言われるもち麦の精麦製品を使用した場合、この値はさらに大きくなる。上述したように穀類からの食物繊維摂取量が低下している状況にあって、主食に応用できる大麦の食物繊維源としてのポテンシャルは高い。
 大麦に含まれる水溶性食物繊維のうち、特にβ-グルカンと呼ばれる成分については、各所で種々の機能性評価が進められている。(大麦β-グルカンの持つ生理機能性については、別項を参照のこと)

◆大麦β-グルカンについて(別項)

 大麦β-グルカンは、D-グルコース残基がβ-(1→4)結合で結合したトリオースおよびテトラオースが、β-(1→3)結合にて直鎖状に連なった構造を取った多糖であり、大麦では、主に糊粉層や胚乳細胞の細胞壁に含まれ、粒内に満遍なく分布している。このため、他の穀物の食物繊維成分と異なり、精白・搗精を進めてもその含有率は減らず、精麦製品でも4%程度のβ-グルカンが含まれる。一般的に粳種よりも糯種の麦の方が、また二条種よりも六条種の麦の方が、β-グルカン含量は高くなる傾向にある。

図3 各種穀類の食物繊維含量(%)
出典:日本食品標準成分表2010から作成

3) メタボリックシンドロームと大麦

 糖尿病などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、おなかのまわりの内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大きく関わっていることが分かってきている。内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という。
 近年、国内において、大麦摂取の内臓脂肪に及ぼす影響に関する研究がいくつか実施されており、大麦の摂取が、皮下脂肪面積よりも内臓脂肪面積の減少に対してより効果的であることが明らかにされつつある。もち大麦を50%配合した大麦ご飯の摂取が、日本人男性の内臓脂積や腹囲、BMIなどの指標に好影響をもたらすことや、もち大麦の摂取により、特に女性において内臓脂肪面積、体重、BMI、HDL-コレステロール及びLDL-コレステロールが有意に低下すること、30%配合大麦食摂取により性差問わず腹囲が低減し、その作用は内臓脂肪面積低下によるものと推定されること等の報告もなされている。
 特筆すべきはこれら報告のいずれもが、日本人を対象に行われた研究であるという点である。米を主食とする日本人にとり、大麦を摂取することは、「ご飯に麦を混ぜる」という方法により容易に実現可能である。主食に活用できる大麦食が、わが国のメタボリックシンドローム対策に有効活用されることが期待される。

3) 糖尿病と大麦

 大麦食の機能性を世に広く認知させた研究に、Hinataらが福島刑務所で行った後向き追跡調査がある。彼らは、同刑務所に服役した男性のⅡ型糖尿病受刑者109人について、医療記録を元に経過を追跡したところ、空腹時血糖およびHbA1cの平均値いずれも、入所時と比し出所前には有意に低下したと報告し、これらの効果が、規則正しい生活と主食である麦ご飯によるものではないかと考察している。これ以外にも、大麦の食後血糖上昇抑制効果については多くの報告もなされており、大麦が糖尿病対策に有効な食材であることは巷間認知が進んでいる。
 日本糖尿病学会が編集している「糖尿病食事療法のための食品交換表」が2013年11月に11年ぶりに改訂されたが、この中で朝食の献立(20単位・1600キロカロリー/炭水化物55%)に、麦ご飯(150g 米と押麦1:1)が初めて登場した。患者およびその予備軍が2050万人にものぼる(平成24年 国民健康・栄養調査結果)糖尿病。その食事療法の一環として、大麦の摂取が推奨されたことで、大麦食への注目はますます高まることが確実である。

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