スウェーデンの研究者達は朝の食事として大麦を摂取して、昼には大麦を含まない食事を摂取しても食事摂取量が低下することを発表しました。この現象は夜に大麦を食べても、翌朝の大麦を含まない食事でも低下することが報告されています。
その後、この原因には消化管から分泌されるホルモン(消化管ホルモン)が関わっていることが発表されています。人の食欲は、血中のグルコース濃度の低下や遊離脂肪酸濃度の増加などの栄養成分の変化に加えて、胃、小腸などから分泌される消化管ホルモンや腸内で生成する短鎖脂肪酸が吸収されて、複雑にコントロールしています。
例えば、胃からグレリンといわれる食欲を起こすホルモンが分泌されますが、大麦を摂取るとこのホルモンの分泌が減ると考えられます。その他に食欲を抑制するホルモンが関わっていると考えられています。同時に食物繊維の多い大麦食品では咀嚼に時間がかかる、胃、小腸における食物の通過に時間がかかるなども、満腹感持続には重要な因子と考えられます(図2)。