わが国の制度は、コーデックス委員会のガイドラインに沿っています。栄養素の機能性表示は栄養機能食品となり、それ以外の機能性表示と疾病リスク低減表示は特定保健用食品が該当します。特定保健用食品は大部分が栄養素以外の成分に対する機能性表示に該当しますが、疾病リスク低減表示については、現在カルシウムを加えた食品のみについて、骨粗鬆症のリスクを低下することが表示できる食品が該当します。
アメリカでは12種の食品群について、疾病リスク低減表示を認めています。その内容は、サプリメントのような食品ではなく、国による健康・栄養政策と連動させたものです。未精白穀類、野菜、果物、低脂肪、低ナトリウムなどの食品を沢山食べる重要性を強調し、虚血性心疾患やがん、あるいは高血圧のリスクを下げるなどを表示することを認めています。他の先進諸国もほぼ同様の考えに基づいています。その考え方の中で、大麦も取り上げられています。大麦に関する諸外国の表示制度を以下の表にまとめました。なお、オーストラリアとニュージーランドは食品の表示などに関しては同じ法律に基づいて、食品の機能表示が行われています。
アメリカとEUでは疾病リスク低減表示ですが、EUでは加盟各国の企業が国を通して申請し、EFSA(European Food Safety Authority)によって審査されて、許可されるために、大麦についても食品によって疾病リスク低減表示が可能なものや、その他の機能性表示が認められるものに分かれています。EUでは大麦については血中コレステロールへの効果以外に、血糖値や糞便量への効果を認めています。
カナダ、オーストラリア/ニュージーランドでも疾病リスク低減表示を認めている食品もありますが、大麦では認められていません。
表 海外における大麦食品に対する健康表示